2012年10月に亡くなった流通ジャーナリスト金子哲雄の妻である金子稚子が創設し、代表を務める活動。
自身の体験により、現代社会において「生」に関する情報だけが広がる状況に、死を間近に控えた人やその家族、死を身近に感じる人たちの生きにくさ、苦しさを痛感し、スタートさせた。
現代医療が日々進歩する中、超高齢社会においては、「死」は私たちにとってもはや身近なものではなくなった。
しかし、高齢者が多いということは、今後、そんなに時を待たずに「死」が大量に増えることは必至。いわゆる超高齢多死時代の到来である。
「その時」、死にゆく人の尊厳を守ることのできるように、また、残された家族や友人知人が必要以上に悲しまないように、「死」に関するあらゆる情報提供と、心の支援をめざす。
医療関係者や宗教関係者など死が日常にある専門家、死について古人の知恵を伝える学識者、そして、死別を経験して多くを学び得た人たちで構成が連携し、活動を行う。
金子稚子(かねこ・わかこ)
ライフ・ターミナル・ネットワーク代表。終活ジャーナリスト。雑誌・書籍の編集者や広告制作ディレクターとしての経験を生かし、誰もが必ずいつかは迎える「その時」のために、情報提供と心のサポートを行っている。当事者の話でありながら、単なる体験談にとどまらない終末期から臨終、さらに死後のことまでをも分析的に捉えた冷静な語り口は、各分野の専門家からも高い評価を得て、医療関係や宗教関係などの各学会や研修会でも講師として登壇。さらに、生命保険等の金融関係、葬儀関係、医療・福祉関係、医薬品などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動を行う。
人生100年時代を迎えた今、死を捉え直したアクティブ・エンディングを提唱。多岐に渡る情報提供とともに、“本気の終活”として、私たち自身が自分で「いきかた」を決める必要性を訴えている。
現在も一貫して“死の前後”にこだわり、領域をまたいで、専門家や当事者への取材を重ねながら、誰もがいつかは必ず迎える「その時」のために、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、“人生会議”の普及・啓発、ならびに相談やコンサルティング業務など精力的に活動中。
また最近は、死から立脚した独自視点での人生相談や、ビジネスパーソン向けには夫が遺した言葉を元にした生き方のエッセンスを伝える活動にも力を入れている。
著書に『アクティブ・エンディング〜大人の「終活」新作法〜』(河出書房新社)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『金子哲雄の妻の生き方〜夫を看取った500日〜』(小学館文庫)。
厚生労働省「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」構成員。一般社団法人日本医療コーディネーター協会共同代表理事。医療法人社団ユメイン野崎クリニック顧問。
夫は、2012年10月に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄。